
基本情報
| 蒸留所名 | サントリー知多蒸留所 SUNTORY CHITA |
| 所在地 | 愛知県知多市 |
| 所有者(オーナー企業) | サントリー(サントリーHD) |
| 創業年(会社設立年) | 1972年 |
| ウイスキー蒸留開始年 | 1973年 |
| 年間生産能力 (LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 約5,400万リットル |
グレーンウイスキー専用の蒸留所として、株式会社グレインのもと1972年に設立された蒸留所です。
知多半島は穀物の輸入が盛んで「穀物基地」とも呼ばれ、敷地の隣にはJAが所有する全農サイロがあり、そこから直接ベルトコンベアで原料を搬入されています。
歴史
1972年、サントリーと全国農業協同組合中央会(JA)の共同出資により設立された「株式会社サングレイン」によって操業を開始しました。当時は日本のウイスキー需要が急拡大していた時期であり、サントリーは「響」や「角瓶」などのブレンデッドウイスキーに不可欠なグレーンウイスキーの自給体制確立を目指していました。その後、1977年に第2プラントを増設。1980年にはグレーンウイスキーの年間生産量4,000万リットルを達成するまでに成長しました。
1985年からはスピリッツ、1996年には原料用アルコールの生産を開始するなど、グレーンウイスキーの枠を超えた多種多様な酒類製造を担うようになります。
さらに2022年には、新たに「カフェ式連続式蒸留機(カフェスチル)」を1セット導入しました。これにより、従来の連続式蒸留機では困難だった「原料由来の香味をより豊かに残す原酒」の製造が可能となり、知多蒸留所の原酒の作り分け技術はさらなる進化を遂げています。
製法
原料・仕込水
| 仕込水 | 木曽川上流からの愛知用水 (硬度約20度軟水) |
| 原料大麦 | 米国産イエローデントコーン(トウモロコシ) フィンランド産二条大麦麦芽/糖化用 等 |
モルティング・製麦~粉砕・仕込~発酵
| モルティング設備 | – |
| モルトミル | ハンマーミル |
| 糖化槽・濾過器/数 | 複数の棚段を利用したクッカーで 100~150℃で加圧蒸煮、60℃で糖化 |
| イースト菌 | ディスティラリー酵母 |
| 発酵槽/数/張込量/発酵時間 | ステンレス長大タンク |
蒸留
| 蒸留機タイプ/メーカー/数/張込量 | ①多塔式連続式蒸留機(グレーン用)4塔 ②連続式蒸留機(スピリッツ用)2塔 ③カフェ式連続式蒸留機(グレーン用) 2塔 |
| 初留加熱方式 | スチーム |
| 初留冷却装置 | シェル&チューブ、プレート式 |
4塔の連続式蒸留機は、それぞれ以下の役割を担っています。
- 第1塔:蒸留塔/モロミ塔(アナライザー) 【シーブトレイ式】 もろみを加熱し、アルコール(約80度)を抽出することで、原料の力強いコクをすべて引き出す。
- 第2塔:抽出塔(エクストラクター) アルコールを約20度まで加水して薄め、不純物を揮発しやすくした状態で再蒸留することで、知多の代名詞である「極限のクリーンさ」を生み出す。
- 第3塔:精留塔(レクティファイヤー) 【銅製バブルキャップ式】 アルコール度数を製品レベル(約94度)まで高めつつ、銅との接触を促すことで、銅が触媒となり発酵由来の不快な香気成分(硫黄化合物など)を吸着。フルーティーな香調を整える。
- 第4塔:脱メチル塔/第2精留塔(メチライザー) 【銅製バブルキャップ式】 沸点のわずかな差を利用し、メチルアルコール等の微細な不純物を徹底除去することで、雑味を完全に消し去り、シルクのような滑らかな口当たりを完成させる。
上記4塔は、スピリッツ用の連続式蒸留機と連携しており、ジン・ウォッカ等の高純度スピリッツまで作り分けています。
グレーン原酒は①③2塔使用でヘビータイプ、①③④3塔でミディアムタイプ、①②③④4塔でクリーンタイプへと3種類造り分けています。
さらには、2022年にカフェ式連続式蒸留も導入しています。これまでの連続式蒸留器と異なり原料の風味が残りやすい特徴があります。
樽詰・熟成~ボトリング・出荷
| 樽詰度数 | 63未満% |
| ウェアハウス/貯蔵タイプ | 無(山崎蒸溜所、白州蒸溜所、近江エージングセラーにて熟成貯蔵。サントリー全体の貯蔵能力は合計約180万樽) |
| ボトリング設備 | – |


コメント